車載器でハンバーガー店のドライブスルーの支払いや、サービスエリア(SA)での観光情報入手など多様なサービスが受けられる――。官民合同でITS(高度道路交通システム)の活用を協議する「スマートウェイ推進会議」(委員長=豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長)が、こんな青写真を描いているようです。
この報告案では、カーナビゲーションシステムやノンストップ自動料金収受システム(ETC)などが急速に普及して来ているが、これらを発展させれば、さらに多様なサービスが可能になると考えているようです。
具体策として、ETC用車載器の機能を高め、駐車場やガソリンスタンド、飲食店のドライブスルーなどの料金決済ができるようにしたり、入居者だけが入れるマンションの駐車場など、施設への出入りの管理にも応用できるようにする事を考えているようです。
さまざまな情報を一つの車載器で一括して受けられるようにもすることも考えていて。渋滞情報、道路工事の状況や気象情報などのほか、高速道路のSAで地域の観光情報を提供することなどを提案しているそうで、要するに今のカーナビの機能とETCを融合することで新しいメディアにするような感じでしょうか。
既にカーナビでラジオやカーナビなどで渋滞状況や地図情報などを得られますが、現状では複数の機器が必要で決済まで出来るものではないため、今回のETCの機能拡張で2007年には新サービス実用化を目指すことを考えているとしています。
ETCには、通信機能も装備している訳ですから、この技術を応用することで、無線LANと同じように携帯電話などを使った送受信に比べて100倍程度の通信容量を確保して、「ブロードバンド(高速大容量通信)並み」の通信環境も得られる環境にできるようです。
このスマートウェイ推進会議は、国土交通省が設置した研究会で、総務省など関係省庁のほか、自動車、電機メーカーなどで構成され、産学協同の提言として今後ITSの施策が進められることになりそうです。
今回の提言では、2005年までに国と自動車、電機メーカーなどの官民が共同で研究を行い、機器や情報のやり取りに関する標準の規格・仕様をくり、2006年までに、SAや一般道路に情報を送る路側機を取り付けるなどの基盤整備を行うと共に新型車載器の製造に着手し、2007年から本格的なサービス開始につなげることを考えていて、実現しそうな勢いで話がどんどん進んでいるようです。
その後、車載器で取り込んだ情報を携帯端末や自宅のパソコンなどに取り込んで車の外でも活用できるように応用を進めることを提言しているそうです。あまりにも話が早急なので、夢なのか現実なのか判りませんが、話を聞く限りはまたまた便利な世の中になりそうです。