幻の酒として知られ、人気コミックのモデルにもなった新潟県和島村小島谷の銘酒「亀の翁(お)」の酒蔵が、新潟県中越地方を襲った豪雨による地滑りで被害を受け、出荷不能になっている。今冬に仕込んだ酒の出荷はほぼ絶望とみられる。
「亀の翁」は、かつて代表的な酒米の品種だった「亀の尾」で造った酒。しかし、病害虫や風害に弱く、戦後に徐々に姿を消し、幻の米と言われるようになっていた。
約20年前、「久須美酒造」社長の久須美記迪(のりみち)さんが全国を探し求めて手に入れた1500粒を栽培し、復活させた。この酒造りをモデルにしたのが、漫画「夏子の酒」(尾瀬あきら原作)。テレビドラマにもなり、話題を呼んだ。
出荷本数は年間2万8000本(四合瓶)。品薄で、実際に口にすることは極めて難しいとされる。おいしい地酒の多い新潟県でも「幻の酒」と呼ばれる。
「亀の翁」を含む清酒の熟成蔵3棟は、14日未明に発生した裏山の地滑りの直撃を受け、2棟が全半壊する被害を受けた。二次災害も心配され、復旧作業も手つかずのままだ。
久須美さんは「今の段階で約10億円の被害。当面、営業も出荷もできない。でも手塩にかけた酒。復旧したら、さらにいい酒をつくりたい」と話している。
幻のお酒が、当分は本当に幻になりそうです。復旧を応援する意味でも購入するのはいかがでしょうか? 日本酒好きの方は、急いで入手して味わってください。 楽天市場 : 亀の翁取扱い一覧はこちら。