従来のNet MDと何が違うのか、その使い勝手がどんなものなのか、さらにATRAC3plus 256kbpsのサウンドがどんなものなのか?
既にカタログ等では中島さんを広告キャラクターに起用していたが、17日から放送のテレビCMでは、CMのために書き下ろしたという中島さんの新曲を披露するとともに、Hi-MDの45時間録音などをアピールしているという。
■ 1GB容量のデータストレージとして利用できるHi-MD
Hi-MDは、専用メディアで1GBの記録が可能な新MDフォーマット。対応するHi-MDウォークマンは、再生専用の「MZ-EH1」、USB接続対応の録再機「MZ-NH1」、USB接続対応の再生専用機「MZ-NH3D」の3モデルが既に発売されている。また、21日にはデスクトップオーディオの「LAM-X1」の発売も予定されている。
■ PCからのデータ読み込みに対応
そしてもう1つ、Net MDからHi-MDになっての進化が、USBケーブルを通じて、MD側のオーディオデータをPCへと吸い上げ可能になったことだ。従来これができなくて、非常に不便を感じていたが、ようやく可能になったわけだ。ただし、可能になったのは、非圧縮のPCMデータ、ATRAC3plus 256kbpsデータ、ATRAC3plus 64kbpsの3種類。方法はチェックインをするのと同様、外部デバイスからHDD側への矢印ボタンをクリックするだけであり、扱いは簡単。
ただATRAC3データには対応していないし、当然プロテクトのかかったデータの転送はできない。また、従来のNet MDを接続した場合、SonicStage Ver2.1でPCからNet MDへのデータ転送はできても、その逆はできない。
なお、Hi-MD対応のMDウォークマンであるMZ-NH1にはSonicStageとは別に、もう1つ「MD SIMPLE BUNER」というソフトがバンドルされている。こちらは、PCのHDDにデータを溜めることなく、CDから直接MDへデータ転送するというソフト。もちろん、転送の際のフォーマットなども設定も可能で、PCを完全にミニコンポのような存在として利用することが可能になる。とくにPCでデータの管理をする必要はないという人なら、こちらのほうがかえってわかりやすいかもしれない。
このHi-MDの発売で、MDフォーマットは計3種類(MD,MDLP、Hi-MD)がリリースされることになる。個人的には買うならば録再可能なMZ-NH1にしたいが、実売45,000円程度というのはちょっと高いようにも感じる。
特にMDは日本固有のオーディオ機器で海外などでは全く利用されていない事情があり、今後ソニー以外のメーカーも参入するのか、またそうしたときに、価格はどの程度まで下がるのか期待したい。
<<UPDATE:2004.08.02>>
CDリリースなし。中島美嘉のCMソングを着うた限定配信
SMEは中島美嘉の未発表曲「Sony Hi-MD Walkman CM SONG」を、CDリリースせず“着うた”のみで配信する。着うた限定での配信は業界初。
ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は8月3日17時から、中島美嘉のCDMソング「Sony Hi-MD Walkman CM SONG」を着うた限定で配信すると発表した。料金は105円。
CDリリースは予定されておらず、初の着うた限定配信となる。ダウンロードはドコモ、KDDI、ボーダフォンとも「レコード会社直営♪サウンド」から。楽曲再生時間は30秒。
同曲は録音時間を約10倍に伸ばした新規格のMD「Hi-MD」のCMソング。7月17日のオンエア以来、驚異的な問い合わせが寄せられ、「きゅうきょ、着うたでの配信を決めた」(SME)。発売まで時間のかかるCDリリースと異なり、素早い対応が可能なことが、着うたでの限定配信の決め手になったという。
KDDIがまず開始した着うたサービスは、開始後1年半で1億ダウンロードを突破。ドコモも900iシリーズから、ボーダフォンも3GおよびV600シリーズから着うたサービスを開始している(5月12日の記事参照)。KDDIの資料によると、着うた市場は既に待受画面市場を抜き、着メロに迫る規模になってきているという。