シルバーストンの空には厚い雲が広がっており、レース中に雨が降ってくる可能性も十分にありそうだ。スタート前の気温は17℃、路面温度は29℃となっている。現地時間午後1時、今年初めてキミ・ライコネンを先頭にフォーメーションラップがスタートしていく。
スタート!キミ・ライコネンが素晴らしいスタートでトップで1コーナーへ。ミハエル・シューマッハがルノーのヤルノ・トゥルーリを牽制し、5番手までは順位に変動はない。オープニングラップは1位ライコネン、2位ルーベンス・バリチェロ、3位ジェンソン・バトン、4位シューマッハ、5位トゥルーリ、6位デビッド・クルサード、7位佐藤琢磨、8位ファン・パブロ・モントーヤとなっている。
3周目、チャペルでミスをした佐藤をモントーヤがハンガーストレートでオーバーテイクして7位へ浮上。バリチェロがファステストラップを連発しながらライコネンを追撃する。8周目、後方から追い上げていたルノーのフェルナンド・アロンソが最初にピットストップを行なう。次のラップではファステストラップをたたき出していたフェラーリのバリチェロが8.2秒のピットストップを行なう。ウィリアムズもマルク・ジェネがピットストップを済ませていく。
10周目にマクラーレンのクルサードが1回目のピットストップへ。8.6秒でコースへ復帰する。その翌周にはキミ・ライコネンとジェンソン・バトンがピットへ。それぞれ7.5秒と6.8秒で作業を終える。ライコネンは佐藤の後ろに戻っている。前がフリーになったシューマッハは当然のようにファステストラップを連発していく。14周目、ライコネンが1コーナーで佐藤をオーバーテイクする。トゥルーリがピットストップへ。マーク・ウェーバーも次のラップのハンガーストレートで佐藤を抜いていく。そして、アビーコーナーの飛び込みではフェリペ・マッサとバトンも佐藤の前へ。
15周目、ミハエル・シューマッハが最初のピットストップへ。9.2秒で作業を終え、ライコネンの前でコースへ復帰することに成功する。佐藤もピットへ。トップ18周目、ストウコーナーでトヨタのオリビエ・パニスがストップ。
トップ争いの2人、ミハエル・シューマッハとキミ・ライコネンは接近している。現在の搭載燃料が軽いと思われるライコネンがシューマッハとの差を縮めてきている。
23周目にはここまでピットストップを行なっていなかった5位走行中のジャンカルロ・フィジケラがピットへ。25周目、アロンソとジェネがピットストップへ。
27周目にはバトンも2回目のストップを実施する。翌周には2位のライコネンと4位のバリチェロがピットへ。それぞれ6.7秒と6.5秒でコースへと復帰していく。バリチェロはバトンの前に出ることに成功。次のラップにはモントーヤも2度目のストップを6.9秒で終える。レース中間の30周目にはクルサードもピットへ。
今週末は厳しい週末になっているミナルディだが、トップ32周目に2つの悲劇が押し寄せる。ピットストップを行なったジャンマリア・ブルーニが、メカニックが給油リグを抜く前に発進してしまい、何人かのクルーが引きずられる形になってしまった。それと同時に、コース上ではチームメイトのゾルト・バウムガートナーがコース上で白煙を上げてストップしてしまう。ストールしたブルーニはエンジンを再起動させてレースへ復帰。35周目、10位走行中の佐藤がピットへ。10.3秒でコースへ。
37周目、トップ走行中のシューマッハが今日最後のなる2回目のピットストップへ。9.5秒で作業を終え、しっかりとライコネンの前でコースへ復帰する。その後、トップのシューマッハは意図的にペースを落とし、ライコネンの前に立ちふさがる。そして、3位のバリチェロがライコネンの後ろに忍び寄ってくる。
41周目、トゥルーリがインフィールドセクションの入り口で大クラッシュ!マシンが大破しているが、幸いトゥルーリはマーシャルの誘導でふらつきながらも走ってコース脇へ逃れることができている。ここでセーフティーカーが導入され、いっせいに各チームがピットストップを敢行する。ライコネン、バリチェロ、バトン、フィジケラ、アロンソらもピットへ。
セーフティーカー先導中の順位は1位シューマッハ、2位ライコネン、3位バリチェロ、4位バトン、5位モントーヤ、6位フィジケラ、7位クルサード、8位ウェーバー、佐藤は11位となっている。シューマッハとライコネンの間には周回遅れのクリスチアーノ・ダ・マッタとクリスチャン・クリエンが挟まっている。
残り15周の時点でレース再スタート!その後は大きな順位変動はない。トップ49周目、ジョーダンのジョルジョ・パンターノがアビーコーナーでスピンアウトしてストップ。
ファイナルラップ。シューマッハはライコネンに4.2秒差をつけ余裕を持ってチェッカーを目指す。
チェッカー!ミハエル・シューマッハが今季10勝目、通算80勝目を達成した。2番手には低迷のシーズンから復活を果たしたマクラーレンのキミ・ライコネン、以下は3位ルーベンス・バリチェロ、4位ジェンソン・バトン、5位ファン・パブロ・モントーヤ、6位ジャンカルロ・フィジケラ、7位デビッド・クルサード、8位マーク・ウェーバーとなった。
結果的に、BARの2台が採った戦略は、天候に翻弄されたりレース中のセーフティカー導入によって機能しなかった。佐藤琢磨は2ストップ作戦を選択したが、結果はポイント圏外の11位でフィニッシュしている。
F1第12戦ドイツGPは、2週間後の7月25日にホッケンハイムリンクで決勝レースが行なわれる。