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July 11, 2004 space
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F1:イギリスGP K・ライコネンが今季初PP!!

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イギリスGP予選:K・ライコネンが今季初PP!!

2004eng_kimi.jpgF1第11戦イギリスGP最終予選は、フリー走行からの勢いそのままに速さを発揮したマクラーレンのキミ・ライコネンが1分18秒233で今季初ポールポジションを獲得した。2番手にはフェラーリのルーベンス・バリチェロ、3番手に地元のジェンソン・バトンが続いている。

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まずは、イギリスGPプレ予選:茶番劇!?交錯する思惑

 イギリスGPプレ予選は混乱の中、幕を閉じた。2回目のセッションから雨が降ると予想したチームが、次々に最終セクターにおいてスローダウンをはかったのだ。そんな中、手抜きのないベストな走りでトップタイムを記録したのはBAR・ホンダのジェンソン・バトン。タイムは1分18秒872となっている。

 空には雲が立ち込めており、気温は18℃、路面温度は27℃という涼しいコンディションが続いている。まずはフランスGPで今シーズン9勝目を記録したミハエル・シューマッハがコースインしていく。

 ところが、チャンピオンのミハエル・シューマッハがインフィールドセクションで痛恨のスピン!タイムは1分30秒293という結果に終わっている。2番目に走行したフェルナンド・アロンソは1分21秒923を記録、このタイムが事実上のターゲットタイムとなった。次のフェラーリはルーベンス・バリチェロ。しかし、なんとバリチェロまでがクラブコーナーでオーバーラン!最後はストレートで加速もせず、タイムはアロンソから2.8秒遅れの1分24秒817となった。アロンソのチームメイト、ルノーのヤルノ・トゥルーリは1分21秒496でチームメイトを上まわった。

 地元の声援を受けるイングランドカラーのジェンソン・バトンは、1分18秒872という素晴らしいタイムを記録し、ルノーの2台を3秒近くも引き離した!同じくイギリス出身のデビッド・クルサードは、セクター2でここまでのベストタイムを記録したものの、最後のストレートで突然マシンを減速させた!これは何かのトラブルか、それとも天気を予測した上での行動なのか?その疑問の答えは次のキミ・ライコネンの走行で明らかとなる。ライコネンも最終セクターにおいて明らかにスロットルを緩めた。マクラーレンチームはこのあと雨が降ることを予測し、次のスタート順を早める作戦に出た。クルサードのタイムは1分23秒521、ライコネンは1分21秒639となっている。

 そして、続くBMW・ウィリアムズのファン・パブロ・モントーヤも同様の作戦を実施した。モントーヤはストレート上でほとんど止まったような状態になり、ミハエルのタイムよりも遅い1分34秒386でコントロールラインを横切った。次のジャガー、マーク・ウェーバーも同じ行動を起こした。ウェーバーのタイムはモントーヤよりも遅い1分35秒853となった。この後のドライバーたちもどんどん遅いタイムを“狙ってくる”ことになるだろう。

 さらに遅くする必要があるマルク・ジェネは、セクター2からペースを落としていった。タイムは1分34秒981。クリスチャン・クリエンも当然のようにインフィールドセクションでスローダウン、1分38秒648でコントロールラインを通過。セクター1でベストタイムを記録したジャンカルロ・フィジケラだが、クラブコーナーの進入で右フロントタイヤをダートに落としてしまいスピン。10グリッド降格となるフィジケラは、そのままピットへと戻っていった。

 一方、ザウバーは“堂々とした”戦いぶりを見せる。フェリペ・マッサはスロットルを緩めることなく、1分19秒317でバトンに続くタイムを記録していった。トヨタのクリスチアーノ・ダ・マッタは若干のミスもあり、1分22秒507というタイムを残した。トヨタも故意にペースを落とすことはしなかった。オリビエ・パニスは1分19秒697でここまでの3番手タイムをマークしている。

 シルバーストンに本拠地を構えるジョーダンのニック・ハイドフェルドはプッシュしていくが、ストウコーナーとアビーコーナーでオーバーラン。アタックを止めてピットへと戻る。チームメイトのジョルジョ・パンターノはしっかりとしたアタックを行ない、1分21秒350でパニスに続くタイムを記録した。“いつものように”エンジン交換を行なっているミナルディの2台。スポーティングディレクターを失い悲しみに包まれるミナルディは、“小細工”のない戦いぶりでジャンマリア・ブルーニとゾルト・バウムガートナーがそれぞれ1分22秒529、1分23秒116というタイムを残した。

 最後の出走となったBAR・ホンダの佐藤琢磨は、トップタイムを記録したチームメイトのジェンソン・バトンとは異なる戦略を選んだ。佐藤のタイムは1分28秒910で、13番手となった。

 現在、シルバーストンサーキットのまわりには雲が広がっているが、陽射しも確認できる。最終予選はこのあと現地時間の午後2時、日本時間の午後8時に開始される。

1、ジェンソン・バトン(BAR・ホンダ) 1:18.872
2、フェリペ・マッサ(ザウバー・ペトロナス) 1:19.317
3、オリビエ・パニス(トヨタ) 1:19.697
4、ジョルジョ・パンターノ(ジョーダン・フォード) 1:21.350
5、ヤルノ・トゥルーリ(ルノー) 1:21.496
6、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス) 1:21.639
7、フェルナンド・アロンソ(ルノー) 1:21.923
8、クリスチアーノ・ダ・マッタ(トヨタ) 1:22.507
9、ジャンマリア・ブルーニ(ミナルディ・コスワース) 1:23.529
10、ゾルト・バウムガートナー(ミナルディ・コスワース) 1:23.116
11、デビッド・クルサード(マクラーレン・メルセデス) 1:23.521
12、ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ) 1:24.817
13、佐藤 琢磨(BAR・ホンダ) 1:28.910
14、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ) 1:30.293
15、ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズ・BMW) 1:34.386
16、マルク・ジェネ(ウィリアムズ・BMW) 1:34.981
17、マーク・ウェーバー(ジャガー・コスワース) 1:35.853
18、クリスチャン・クリエン(ジャガー・コスワース) 1:38.638
19、ジャンカルロ・フィジケラ(ザウバー・ペトロナス) ノータイム
20、ニック・ハイドフェルド(ジョーダン・フォード) ノータイム

そして、イギリスGP最終予選

 多くのチームの思惑とは裏腹に、シルバーストンの空から雨粒は落ちてこない。気温19℃、路面温度30℃、ドライコンディションという状態でピットオープンとなった。まずコースインしていくのは、1回目にアタックを中断したジョーダンのニック・ハイドフェルド。

 “手抜き”なしの最終予選、まずはハイドフェルドが1分22秒677というターゲットタイムを記録した。次に出走するはずだったザウバーのジャンカルロ・フィジケラだが、10グリッド降格ペナルティを受けるためにコースインしなかった。3番目に出走のクリスチャン・クリエンは1分21秒559をマークしている。チームメイトのマーク・ウェーバーは、エースドライバーの実力を見せつける1分20秒004をたたき出し、クリエンのタイムを1.5秒以上上まわった。BMW・ウィリアムズのマルク・ジェネは1分20秒335で、ウェーバーのタイムを超えることができない。

 今日の予選で最も注目される第2グループ。ファン・パブロ・モントーヤ、ミハエル・シューマッハ、佐藤琢磨、ルーベンス・バリチェロ、デビッド・クルサードの順でアタックを行なっていく。まずはモントーヤが1分19秒378でウェーバーのタイムを上まわる。そのタイムをシューマッハが1分18秒710で抜き去っていく。佐藤琢磨は上手くラップをまとめることができず、シューマッハから0.9秒遅れの1分19秒688となっている。チームメイトのタイムをターゲットにアタックしていったルーベンス・バリチェロは、素晴らしいアタックで1分18秒305を叩き出してシューマッハのタイムを塗り替えた!マクラーレンのデビッド・クルサードは1分19秒148でモントーヤのタイムを超えてきている。

 第3グループ最初のゾルト・バウムガートナーは1分24秒117、チームメイトのジャンマリア・ブルーニは1分23秒437となった。トヨタのクリスチアーノ・ダ・マッタは1分20秒545で、クリエンのタイムは超えている。10グリッド降格となるルノーのフェルナンド・アロンソだが、1分18秒811を記録してクルサードよりも速いタイムを記録した。今週末ずっと最速だったキミ・ライコネンが予選でも速さを見せつけた!ラップ後半へ向けてどんどんタイムを縮め、最終セクターでバリチェロのタイムを逆転した。タイムは1分18秒233。

 いよいよシルバーストンの空は暗くなってきた。残るは最終グループの5人だけとなっているが、雨が降ってきても不思議ではない。ヤルノ・トゥルーリは1分18秒715でチームメイトの前に出た。ジョルジョ・パンターノも1分22秒458でチームメイトをアウトクオリファイしている。オリビエ・パニスは1分20秒335で、マルク・ジェネと同タイムを記録し、1回目のタイムが速かったパニスが前のグリッドを獲得する。続いてアタックしたフェリペ・マッサだが、アビーコーナーで前に走ったオリビエ・パニスに追いついてしまった。そのパニスをパスするため、マッサはラインを外すこととなってしまった。マッサのタイムは1分20秒202で、そのパニスのタイムを上まわった。最後のアタックとなったジェンソン・バトンは1分18秒580でシューマッハの前、バリチェロの後ろとなる3番手となった。

 キミ・ライコネンがついに今シーズン初のポールポジションを獲得した。フロントローには昨年のウィナーであるバリチェロが並び、2列目からバトンとシューマッハがスタートする。3列目はトゥルーリとクルサード、そして4列目からモントーヤと佐藤が追い上げをはかる。

 イギリスGP決勝レースは現地時間の明日午後1時、日本時間で午後8時にスタートとなる。

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