4GBの1インチHDDを内蔵したApple Computerの小型オーディオプレイヤー「iPod mini」の国内発売日が決定した。発売日は7月24日で、価格は28,140円。同社直販サイトApple Store、Apple Store, Ginzaなどで販売される。
iPod miniは、従来のiPodに比べてHDD容量は減っているものの、大幅な小型化を図るとともに、デザイン的にもカラーバリエーションを備えるなどし、先行発売した米国で爆発的な人気を得た。
iPod mini、国内発売が7月に延期 - 人気爆発で生産計画に狂い
Apple Computerは、同社のHDD内蔵オーディオプレイヤー「iPod mini」について、すでに発売している米国を除く他の国での発売を7月に延期する。「米国内での売れ行きが予想を大幅に上回り、6月末までの生産計画をはるかに超えたため」だという。
需要に供給が追いつかず、米国外での販売が延期されていたが、今回、ようやく発売日が決定した。
カラーバリエーションとしてはシルバー、ゴールド、ピンク、ブルー、グリーンの5色が用意される。
iPod miniは、USB供給による充電をサポートしている。iPod用のUSB2.0ケーブルは転送用と充電用の2本のケーブルを備えた大げさなケーブルだったので、USB2.0を好む人にはうれしい変化だろう。また、iPodでは、付属する1本のFireWireケーブルをパソコンとのデータ転送用とACアダプタ接続用に利用しなければならなかった。ひんぱんにACアダプタを使用する人は、FireWireケーブルを買い足していたと思う。その点、iPod miniでは、データ転送用にUSB2.0を利用すれば、FireWireケーブルをACアダプタに利用できる。
付属のベルトクリップは、スライドして装着したくなるデザインだが、はめ込むようにして装着しないと背面のAppleロゴが消えてしまう。取り扱い説明書にも書かれているのだが、iPod mini程度だと、説明書を読まない人も多いと思うので、念のため……。
専用アクセサリーは、iPod mini用のDock(39ドル)、ジョギングなどフィットネス用にiPod miniを腕に固定する「iPod mini Arm Band」(29ドル)などが用意されている。iPodをジョギングに用いるのは賛否両論である。豊富なキャッシュメモリが効果を発揮して、少しぐらいの振動で音飛びすることはない。iPod miniを持って1時間ジョギングしてみたが、何の問題もなかった。ただ、気になるのは振動に弱いハードディスクである。アップルストアのジーニアスバーで、この点を質問すると「ジョギングぐらいなら問題なく使える。だが、あまり激しい振動は機械が少しずつ壊れていく原因になる」となんとも玉虫色な回答。フィットネスに使って寿命が縮んでも、それはユーザーの責任ということか……。
本体はサイズが91.4×50.8×12.7ミリで、重さが104グラム。シルバー、ゴールド、ブルー、ピンク、グリーンの5色が用意されている。第3世代のiPodが登場したときも小さくなったと思ったが、それでも若干手に余るサイズでリモコンが手放せなかった。iPod miniは手のひらにすっぽりと収まるサイズで、陽極酸化処理(アルマイト加工)済みアルミニウム製ボディが手にしっくりとなじむ。
iPodを片手で操作すると、間違ったタッチボタンを押してしまうことがあったが、iPod miniのクリックホイールは片手だけで正確に操作できる。また、iPodをカバンの中に入れるとタッチボタンにモノが触れて動作してしまうため、ホールドが欠かせなかった。iPod miniは接触による誤動作が少なく、ホールドせずにポケットの中に入れて持ち歩くことができた。
液晶ディスプレイはiPodが2インチであるのに対して、iPod miniは1.67インチと小さくなっている。iPodの液晶ディスプレイはお世辞にも見やすいとは言えない。線の太いアルファベットは比較的読みやすいが、細かい文字の日本語は読みづらい。ディスプレイ表示は操作性にも影響するため、サイズが小さくなるiPod miniと日本語の相性は気になるところだった。ところが、液晶の視認性が向上しており、文字が小さくなっても日本語は読みやすく、むしろiPod miniの方が操作しやすいように思える。
iPod miniに内蔵されている1インチHDDの容量は4GB。AAC(16〜320Kbps)、MP3(32〜320Kbps)、MP3 VBR、Audible、AIFF、WAVなどのオーディオ・フォーマットをサポートする。128kbpsのAACエンコードされた4分の楽曲を、およそ1,000曲収納できるそうだ。FireWireケーブルを使って、アルバム10枚を転送したら112秒。同じ環境で同じプレイリストをiPodに転送すると104秒と若干早かったが、気になるほどの差ではない。連続再生時間は3回のテストが平均10時間31分。通常の利用環境では、6時間半から7時間半程度の利用が可能だった。
ストレージ容量に余裕のあるiPodでは、パソコン内の音楽コレクションをまるごと同期させていた。しかし、4GBのiPod miniでは選択したプレイリストを転送するのが現実的な利用方法になる。ひんぱんに楽曲を入れ替えることになるので、日頃からiTunesでこまめにプレイリストを作成しておくと便利だ。
iPod miniユーザーに活用してもらいたいのがiTunesのスマートプレイリスト機能である。アルバム名・アーティスト名・ジャンルなどの指定はもちろん、「最近再生した50曲」、「2月1日以降に追加された曲」など、柔軟な絞り込みが可能。プレイリストを作成するのが面倒くさい人は、「よく聞く300曲」+「最近聞いた100曲」+「最近追加した100曲」というような感じで設定しておけば、iTunesを使って音楽を聞いているだけで、自動的にベストな選曲がiPod miniに転送される。逆に、非常に細かい性格の人は、1曲ごとに詳細な情報をコメント欄に入力しておけば、スマートプレイリスト機能を使って「70年代の女性アーティストによるカバー曲」というような凝ったプレイリストを簡単に作成できるようになる。
iPodのリモコンは液晶画面を備えていないため、リモコンを使っていても本体を取り出すことが多い。となると、手のひらサイズのiPod miniの方が便利なのだ。個人的には、ポケットにつっこんで使っていたが、すでに首からぶら下げられる「Mini Skin」のようなアクセサリも登場している。
おそらく旅行に出かけるときはiPodを手にするだろう。つまり、iPodを持っていても、手軽さという点でiPod miniも手放せなくなりそうなのだ。iPod miniがiPodの機能省略バージョンだったら、この見方も変わっていたと思う。iPod miniにはiPodと同等の機能が凝縮されており、機能的には“mini”ではないのがもっとも評価できる点である。
対応OSはMac OS X 10.1.5以降、およびWindows 2000/XP。
別売アクセサリーとして、
■ iPod mini Dock(5,040円)
■ インイヤー式ヘッドフォン(5,040円)
■ アームバンド(3,570円)
が提供される。
さて、SONYが1年で追う抜くと豪語したHDDネット・ウォークマンとの対決ですかね!
<<UPDATE>>
iPod mini 24日発売開始!!
vs
SONY:世界最小最軽量HDDネットウォークマン「NW-HD1」
iPodとWALKMANシェア激突、HDDウォークマンと予約販売の「mini」早くもトップ争い
iPodとWALKMANが激突!