雲１つない青空に迎えられたフランスＧＰ最終日、レーススタート時点での気温は２８℃、路面温度は４４℃となっている。フェルナンド・アロンソを先頭に、フォーメーションラップを行なわれる。
スタート！ポールからスタートしたアロンソがきれいなスタートでトップを守り、ミハエル・シューマッハがそれに続く。スタート得意のルノー、ヤルノ・トゥルーリが３番手に浮上している。オープニングラップの順位は１位アロンソ、２位ミハエル・シューマッハ、３位トゥルーリ、４位ジェンソン・バトン、５位デビッド・クルサード、６位ファン・パブロ・モントーヤ、７位キミ・ライコネン、８位佐藤琢磨となっている。
４周目、ルーベンス・バリチェロが佐藤琢磨をパスして８位に浮上する。１０周目、真っ先にピットストップを行なったのはアロンソを追いかける２位のミハエル・シューマッハ。同時にライコネンとジェネもピットへ入っている。次のラップにはクルサードとバリチェロも１回目のストップを終える。そしてその翌周にはルノーのトゥルーリ、ウィリアムズのモントーヤもピットストップを行なう。そして、１４周目にはトップのアロンソもピットへ。バトンも同時に入っている。１回目のストップを終えてアロンソは佐藤琢磨の前、ミハエルは佐藤の後ろという位置になっている。上位陣で最後のピットストップとなった佐藤琢磨も１５周目終わりに最初のルーティンストップを終えている。
その佐藤琢磨のマシンがピットストップ直後に後方から白煙を上げてストップ！今日最初のリタイアとなってしまった。１７周目の最終コーナー、ＢＭＷ・ウィリアムズのモントーヤが単独でスピンしている。モントーヤはレースに復帰するが、順位をいくつか落としてしまった。
２８周目、２回目のピットストップバトルが幕を開ける。まずはマクラーレンのキミ・ライコネンがその口火を切る。そして、次のラップでは２位のミハエル・シューマッハがピットへ。ライコネンのチームメイト、クルサードも入っている。３０周目にはＢＡＲのジェンソン・バトンが７．８秒でストップを済ませる。翌周にはルノーのトゥルーリとフェラーリのバリチェロがともに７．２秒で作業を終える。モントーヤもピットへ。一方、コース上ではミハエル・シューマッハが１分１５秒４７９のファステストラップを記録し、１周あたり１．４秒もアロンソとの差を縮めてくる。
３２周目、アロンソが２回目のピットストップへ。対するミハエルは１分１５秒３７７のファステストラップを再びたたき出し、アロンソの前でエストリルコーナーへ入っていく！トップ３４周目、ミナルディのゾルト・バウムガートナーがグラベルに立ち往生している。
４２周目、トップのミハエル・シューマッハが３回目のストップを６．５秒で終える。トップのアロンソは４６周目に最後のストップへ。静止時間は８．７秒となっている。アロンソは３ストップであることが確定したが、ミハエルには４ストップの疑いも残されている。残り２３周、マクラーレンはライコネンから最後のピットストップへ。次のラップにはクルサードも作業を終えて最後のスティントへ向かう。３位争いではまずトゥルーリが７．５秒で最後のピットストップを終える。その間にジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロがコース上でプッシュしていく。ウィリアムズはモントーヤからピットボックスへ。
残り１９周、３位争いでは続いてルーベンス・バリチェロがピットへ。バリチェロはトゥルーリの後ろでコースに戻っている。次のラップにはＢＡＲのジェンソン・バトンが最後のストップへ向かう。バトンがコースに戻るとそこにはトゥルーリとバリチェロが！トゥルーリの後ろ、バリチェロの前でコースに戻ったバトンだったが、直後のアデレードヘアピンでバリチェロがバトンをオーバーテイクしていく！バリチェロは４位浮上。
ジョーダンのジョルジョ・パンターノにピットレーンスピード違反によるドライブスルーペナルティが課せられた。残り１６周、ジェネが今日最後のピットストップを終える。トップのミハエル・シューマッハとアロンソの差は２０秒以上に広がっている。
残り１２周、ミハエル・シューマッハが前代未聞の４回目のピットストップへ！５．８秒で作業を終え、見事にトップでコースに返り咲く！
ファイナルラップ。ミハエルはアロンソに対して１０．１秒の差をつけ、悠々とマニ・クールのサーキットをいく。そして３位争いでは最後のシケインでバリチェロがトゥルーリのインを突く!!これでバリチェロが表彰台の一角を勝ち取った。
チェッカー！お見事!! 天才の戦術と天才のドライビング、これで彼らフェラーリとミハエルにできないことはない。誰も予想しなかった４ストップ作戦を、当然のことのようにやり遂げ今シーズン１０戦目にして早くも９勝目を達成して通算７９勝目を獲得した。
２位にはルノーのフェルナンド・アロンソ、３位にはルーベンス・バリチェロが続いた。４位は最後に順位を失ったヤルノ・トゥルーリ、以下は５位ジェンソン・バトン、予選では３番手グリッドを獲得したデビッド・クルサードだが、改良型ＭＰ４−１９Ｂのパフォーマンスにもまだ満足できないと語っている。クルサードはひどいスタートを切った後、レースを６位でフィニッシュ 、７位キミ・ライコネン、８位ファン・パブロ・モントーヤとなっている。リタイアやゾルト・バウムガートナーと佐藤琢磨だけとなり、完走１８台。
２００４年Ｆ１第１１戦イギリスＧＰは、来週末にシルバーストンサーキットにおいて開催される。
