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July 2, 2004 space
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プッシュトゥトーク (PTT)Push-to-Talkの実現性は?

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プッシュトゥトーク(PTT)とは、携帯電話網をIP化して、音声もデータもIPパケットで送るシステム「オールIP」の開発が水面下で急速に進んでいる。日本では、NTTドコモが複数メーカーからの提案を受け付けており、近いうちにメーカーを選定する段階まで来ている。欧米では、多数の事業者がオールIPシステムの調達に当たって要求仕様を提示し始めた。
 
 
 仕掛けているのは、国内外の大手通信機器メーカーだ。スウェーデンのエリクソン、独シーメンス、米モトローラなどが2003年から2004年にかけて、オールIPシステムを発表、順次商用化している。日本でもNECが2004年後半に発売する。
 

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携帯でVoIPによるサービス開始

第3世代携帯電話のオールIP用システム「IMS」
3Gの標準化団体「3GPP」が2003年に仕様を策定した。3Gのパケット通信ネットワークに追加することで,SIPを利用したさまざまなインターネット・アプリケーションを実現できる。
 
 
 オールIPシステムの主流となりそうなのは、第3世代携帯電話の標準化団体「3GPP」(The 3rd Generation Partnership Project)が2001年12月に規定したシステム規格「IP Multimedia Subsystem」(IMS)に準拠したもの。W-CDMA方式による3Gシステムのパケット通信ネットワークを利用して、VoIPによる音声通話サービスを実現するためのプラットホームである。
 
 
 IMS商用化への取り組みがここにきて本格化してきたのは、音声の一斉同報サービス「Push-to-Talk」(PTT)が米国で人気を集めたことにある。米大手携帯電話事業者のネクステル・コミュニケーションズが96年に始めた。
 
 
 トランシーバのように、話すときに通話ボタンを押して会話するサービス。通信料を定額にしたにもかかわらず、現在のARPU(1契約者当たりの平均月間収入)は、米携帯電話事業者の平均と比べて1000〜2000円高いという。
 
 
 これに続けとばかり、米ベライゾン・ワイヤレスが2003年8月、米スプリントPCSが11月に「Push-to-Talk over Cellular」(PoC)の名称で参入。欧州でも、英オレンジが2004年2月に同様のサービスを開始した。
 
 
 米国に限らず欧州や日本でも、携帯電話事業者は利用が少ないライト・ユーザーの増加や通話料の値下げの影響で、音声ARPUの減少に悩まされている。新しいアプリケーションを導入してデータ通信利用を促し、通信料収入全体を底上げする必要がある。
 
 
 そこでPTTに期待する携帯電話事業者と、IMSを売り込みたいメーカーの思惑が一致。PTTのプラットホームとしてIMSの採用に動いている。
 

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 PoCの特徴は、多数の相手に音声メッセージを一斉配信できる点。電話交換機を介して回線交換方式で接続する従来の音声通話サービスと異なり、パケット通信ネットワーク経由で送ることで実現する。
 
 
 利用イメージは、パソコンで普及しているチャットに近い。例えば家族や友人、企業の部門単位など、あらかじめグループ登録したユーザーに対して同時に音声通話できる。グループ内の各ユーザーが通話できる状態かどうかなど、プレゼンス情報も携帯電話の画面で確認できる。
 
 
 さらに、PTTのベースにIMSを利用することで、音声とデータをIPデータとして一緒にやり取りできるというメリットが加わる。静止画・動画像などマルチメディア・データを組み合わせて相手に届けられる。
 
 
 通信事業者にとっては両刃の剣
 
 ただし、日本でPTTが登場するまでには、携帯電話事業者がクリアすべきジレンマがある。最大の問題は、通信料金の設定だ。ユーザーにとっては米国と同様、定額制との組み合わせが使いやすい。
 
 
 しかし定額制は、収入の頭打ちを誘導する恐れがあるため、携帯電話事業者は導入に二の足を踏む。さらに、PTTが、回線交換ネットワークを使う従来の音声通話サービスの代替手段として使う可能性が高いという懸念もある。
 
 
 PTTを始める携帯電話事業者は、そうした“副作用”を覚悟しなければならない。その上で、携帯電話の新しい使い方を提案してデータ通信トラフィックを伸ばしていくという決断が必要になる。
 
 
 もっともPTTには、音声が相手に届くまで1秒から数秒程度の遅延があるという弱点がある。こうしたことから「音声通話サービスとは全くの別物」という見方がある。
 
 
 KDDI/au 最大5人で携帯「声チャット」 文章や写真も一体
 
 トランシーバー感覚で最大5人までが携帯電話で「おしゃべり」したり、写真や文章をやりとりしたりできる新サービスをau(KDDI)が始める。年内にこの機能がついた端末を数機種発売し、来年春には全機種に広げる考えだ。
 
 
 仲間同士の「おしゃべり」では、プッシュ・トゥー・トーク(PTT)という通話方式を使う。話し手が送信ボタンを押しながら話すと、残りの参加者全員に聞こえる。1人の話が終われば、別の人がボタンを押して話す形で会話する。
 
 
 これに、携帯電話によるチャット機能を組み合わせる。これまではインターネットの特定のサイトに接続する必要があったが、新サービスは、おしゃべりを始めたい人が仲間に呼びかけると、自動的に相手のチャット用ソフトが立ち上がる。呼ばれた側は、参加するかどうかを選べる。
 
 
 PTTは米国で企業向けに人気のサービスで、NTTドコモも年内にも導入する方針だ。ただ、KDDIは「ただの音声同報サービスが魅力的かどうか疑問」(小野寺正社長)と見ていた。
 
 
 しかし、若者の間でメールがおしゃべりの道具になっていることから、文章や写真と組み合わせたチャット形式とセットにすれば利用が広がると判断した。
 
 

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