日本でもおなじみのゲラー氏は、英国でも「スプーン・ベンダー(スプーン曲げ男)」として人気を博しているが、同氏はテレビ観戦したこの試合で、イングランドが勝つために念を送った。だが、そのテレパシーが強すぎて、スプーンならぬベッカムのシュートを大きく曲げてしまったという。ゲラー氏は「本当にすまないことをした」と、後悔の念を送っているようだ。
ベッカム離婚話浮上、PK失敗は夫人とのけんかのせい?
欧州選手権の準々決勝で敗退したイングランド代表への批判が高まる中、英国では主将MFデビット・ベッカム(29)=レアル・マドリード=とビクトリア夫人(30)の『離婚話』が再浮上している。
ベッカムは1次リーグ初戦のフランス戦でPK失敗。準々決勝ポルトガル戦のPK戦では最初のキッカーで“特大ホームラン”。この敗退につながるミスキックには、ビクトリア夫人がかかわっていたという。27日付の英紙サンデー・ミラーは「彼はもちろん自分を責めていたが、それ以上に精神的に擦り切れた状態になっていた」と友人のコメントを掲載した。
大会期間中、ベッカムはビクトリア夫人と再三衝突。怒鳴り合う姿がホテル内でも目撃されていた。元個人マネジャーとの不倫に端を発した2人の離婚問題が、チームの敗退とともに再燃した格好だ。
イングランド代表ベッカム「不調はレアル・マドリーのせい」
デイビッド・ベッカムは最悪の時期を過ごしている。ユーロ2004(欧州選手権)で見せた不振をレアル・マドリーの練習による体調不良のせいとした。
「プライベートでもサッカーでも最悪の時を過ごしている。シーズン後半は前半よりもひどかった。スペインでは普通のことかもしれないが。ポルトガルではその影響が出た。マンチェスター・ユナイテッドでは別の方法で練習していた」
ポルトガルではビクトリア・アダムスとも喧嘩した。イングランド代表の選手の妻と恋人たちは同じホテルに泊まることに決まっていたが、彼女がマンションに滞在したがったためだ。最終的にはビクトリアが譲って決着している。
「ベッカムは妻の言いなりになるのに疲れている」という友人たちの証言もある。
「もし家族がマドリーに来ないで、スペインの生活になじめないのなら、イングランドに戻ってもいい。私にとって第一は家族、次がサッカーだ」と本人は言っているが……。
<<ポルトガルがPK戦を制し準決勝へ 歴史的な名勝負>>
リスボンのルススタジアムで行われたユーロ(欧州選手権)準々決勝ポルトガル対イングランドは、信じられないような熱戦となった。90分間で1−1、延長戦でもそれぞれ1点ずつを取り合い合計2−2で終了し、最後はPK戦の末、6−5でポルトガルが勝利を収めた。
計算や憎悪や疑惑に彩られたグループリーグが終わり、ユーロ2004はいよいよ真剣勝負へと突入した。生きるか死ぬか、後のない戦いである。準々決勝に臨むに当たり、ポルトガルは未だにスター選手たちのバランスを取れていない状況で、フィーゴの魔法のようなプレーや好調のクリスティアーノ・ロナウドを頼りとしていた。一方のイングランドは、初戦こそ落としたものの、その後は新たな怪物ウェイン・ルーニーの活躍もあって調子を上げてきていた。
両チームともにベストメンバー。ルイ・コスタとデコのポジション争いは後者に軍配が上がり、ルイ・コスタはベンチからのスタートとなった。前線では出場停止のパウレタに代わって、ヌノ・ゴメスがスタメンに入る。イングランドのエリクソン監督は、クロアチア戦と同じ11人を起用してきた。
試合開始直後、いきなりイングランドが先制する。前半3分、イングランド陣内からのロングボールをコスティーニャが後ろに逸らしてしまい、こぼれ球に反応したオーウェンが右足の巧みなシュートでGKリカルドを破った。
いきなりの失点に気落ちしたポルトガルだったが、時間が経過するごとに試合の主導権を奪っていく。だが、ポルトガルが攻撃を仕掛けてもコーナーキックの数ばかりが増えるだけで、ヌノ・ゴメスやマニシェのシュートには正確性がなかった。
26分、大きな期待を背負っていたルーニーが早くも離脱。ポルトガルのDFアンドラーデとの接触で負傷してしまい、1分後にバッセルと交代してピッチを退いた。30分ほどの熱戦の後、両チームとも一息ついたが、見どころの多い試合展開は続いていた。30分には、オーウェンのゴール隅へのシュートをリカルドが弾き出す。前半終了間際にはデコやクリスティアーノ・ロナウドもゴールに迫ったが、最大のチャンスを迎えたのはフィーゴ。しかし、ペナルティーエリアわずか外からのFKは失敗に終わってしまった。
後半は、前半に比べれば見応えのない内容に。イングランドはうまく守りを固めていたが、カウンターでFWのスピードを生かすことはできなかった。ポルトガルは必死に攻めていたが、フィーゴを下げてポスティーガを入れるというスコラリのさい配が観客を驚かせる。ルイ・コスタが投入されたのは、ようやく79分のことだった。もはやポルトガルの命運は尽きたかと思われたが、83分には左からのクロスにポスティーガが完璧なヘディングで合わせ試合を振り出しに戻した。
延長戦は、語り草となっている1970年のイタリア対ドイツ戦を思い起こさせるような激戦となった。前半は特に何も起こらなかったが、109分にルイ・コスタがエリア外からの素晴らしいシュートをゴール隅にたたき込む。これでポルトガルの勝利は決まったかと思われたが、そのお祭りムードを打ち壊したのはイングランドのランパードだった。114分、ベッカムのCKからテリーが頭でつなぎボールをゴールに押し込んだ。
試合はPK戦に突入。ここでもやはりドラマが待っていた。イングランド1人目のベッカムは、芝に足を取られまさかの失敗。その後は成功が続いたが、ポルトガルの3人目ルイ・コスタがボールを大きく蹴り上げてしまう。イングランド7人目のバッセルがグローブを外したGKリカルドに止められ、最後はそのリカルドが自らゴールを成功させ、試合に終止符を打った。
サッカーの歴史に残るであろう名勝負を制し、ポルトガルが優勝へと夢をつないだ。イングランドはまたしてもPK戦で涙を飲んだ。