『YZF-R1」公道の公道のエキサイトメントとセカンダリーロード最速のビューティフル&エキサイティングスーパースポーツ!こだわり続け、飛躍的進化を果たした4代目YZF-R1登場。
始まりは1997年9月のミラノショーだった。全神経を走りに向けたその研ぎ澄まされたスタイルでライダーの話題をさらい、翌年欧州で発売されたYZF-R1は、新なスタイルとリッターマシンを操る楽しさ、そして官能的コーナリングを高次元で具現化し絶大な評価を獲得、またたく間に市場を席巻して、そののちの全てのスーパースポーツの新基準として不動の地位を築くに至った。 世界の高い評価の前にも進化は休むところを知らない。2004年。新たなる一歩を踏み出したYZF-R1は、3代にわたって図ってきた設計思想の熟成と進化を踏まえ最新のヤマハ技術を投入。 材質レベルまで追い込んだグラム単位の軽量化やフレーム再設計などディメンションのあくなき追求、より乗り手の感性への融合を目指したモーター駆動によるサブスロットルバルブ付きフュエルインジェクションを採用、常にモデルリーダーとして自らをも含む従来のリッタースーパースポーツの概念を超越した、一歩先を歩む新次元リッタースーパースポーツとして降臨したのである。 |||| シャープなフォルムは不変のR1スタイル 新たなスーパースポーツとして、人とマシンが如何に一体になれるか、そのためのフォルムはどうあるべきか。その問いへの回答として機能とデザインが高いレベルで昇華し、斬新かつ流麗なスタイルで人々の目を奪った初代YZF-R1。 新たなるYZF-R1にとってもその追い求める機能とデザインの理想は不変の高みにある。 新型4灯ヘッドライトと滑らかにかつダイレクトにエアを導くエアダクトデザインにより、フロントビューにはパワーがみなぎる力強い表情を持ち、またリヤビューにはレーサーとは一線を画し、繊細な造形に与えられた新意匠アッパーマフラーが、テールカウルとの一体感にあふれた、パフォーマンスとエアロダイナミクスを視覚的に表現する。 こうした新たな機能とデザインを創造しながらも、R1スタイル、と認知されるべきそのデザインは、それゆえ普遍性を持ち4代を経てなお斬新さを失わず、かえってスーパースポーツ全体をも代表する輝きを放つのである。 |||| ヤマハの技術の粋を凝らし設計された新エンジン 水冷4サイクルDOHC並列4気筒・前傾40度シリンダー・5バルブ・FI採用エンジンは、さらに高次元なパフォーマンスとコーナリング性能を達成するため、一から開発し直された。 ビッグボア・ショートストローク化 ボア×ストロークは従来の74.0mm×58.0mmから77.0mm×53.6mmと3mmのビッグボア化と4.4mmものショートストローク化が行われ、最適スロート径設定や小型燃焼室形状、ハイリフトカム、アルミ鍛造ピストンにより12.4:1の高圧縮化を実現。さらなる高回転領域に踏み入れている。 クローズドデッキシリンダー採用 高圧縮比、高出力を実現するため、ヘッド付近に冷却水通路の開放部がなく高剛性を得やすいクローズドデッキシリンダーを採用。ヤマハ独自の低圧鋳造により凝固組織の最適化を図ったシリンダーブロックは高圧縮比率、高出力に対応する高い信頼性を確保。またビッグボア化によるシリンダー左右幅を現行比僅か4mm増に抑えて小型化も促進している。 さらにセラミックコンポジットメッキ処理による直メッキのライナーレスシリンダーとして、優れた放熱性、剛性バランス最適化、高精度な真円度設定を実現した。 破断面締結コンロッドの採用 通称かち割りコンロッド。真円加工を行なった大端部を衝撃で2つに破断させた後、金属の破断面相互を再びボルト締めするFSコンロッド(Fracture Splitting Connecting Rod)をヤマハ二輪車として初採用。 優れた精度と真円度、高回転での高い信頼性により高出力化に対応している。 感性に忠実なアクセルレスポンスをもたらすFI&サブスロットル フュ−エルインジェクション(FI)はさらに熟成が進められた。高ダイナミックレンジ型で、優れた性能と環境性能を実現する、4孔2方向噴射で信頼性の高いプレート型のロングノズルタイプのインジェクターを採用。 そして新たにECU経由でエンジン回転数・スロットル開度の情報を取得し、モーターでサブスロットルバルブを駆動するシステムを開発。メインとサブ双方のスロットルバルブの作動により吸入空気の流速を最適に制御することで、回転全域での体積効率の最適化と優れたパワーコントロール性を実現。デジタル制御ならではの低中速での優れたドライバビリティを引き出すことに成功している。 またスロットルボディはリンク構造を内包するバタフライ作動システムの採用により小型化され、従来より幅を27mmスリム化。車体の設計自由度が高まった結果、優れたハンドリングに寄与する要素ともなっている。 優れた応答性に貢献するエア・インダクションシステム エア・インダクションは走行風圧を積極的に利用し、エアボックスを加圧することで吸気効率アップを狙ったシステム。走行風圧によりヘッドライト下に設けられた2個のエア吸入口から取り込まれたフレッシュエアは、真っ直ぐにタンク前方に配置され大容量を確保したエアクリーナーボックスにへ導かれ、フィルターを通過したのち加圧されてシリンダーに送り込まれる。これによって優れた出力特性と加速時のレスポンスを獲得している。 コンパクト設計の2気筒連結型EXUP ヤマハが誇る、トルクの谷を解消し優れた特性を引き出す排気デバイスEXUP。新YZF-R1では基本原理を継承しながら、従来の4本のエキゾースト毎にバルブを配する方式から、1・2番、3・4番シリンダーからのエキパイを2本に集合した部分に、SUSからチタンへと材質を変更したバルブを設定し、脈動を制御する方式に進化した。これによりEXUPボディとともにオールチタン製となり、小型軽量化を実現している。 そのほか高回転化に対応したアルミ鍛造リテーナの採用、現行比20%減とされたクランクマス設定の最適化、ラウンドラジエータ、クランク背面配置のACM(交流発電機)など、細部にわたるあくなき軽量化の技術開発により、実にエンジン単体で従来比約4kgの軽量化を達成。 そして最高出力は、実に126.4kW(172PS)(無加給時)を発揮するに至り、新セッティングのクロスレシオ6速ミッションとのコンビネーションにより、クラス随一のハイパフォーマンスを獲得している。 |||| モトGPマシンYZR-M1の設計思想を受け継ぐシャシーと脚廻り キーワードはヴィクトリー。縦剛性が2.5倍にアップした新デルタボックスVフレーム モトGPマシンYZR-M1の設計思想を受け継ぎ、最新の3D CAD解析技術を投入し新設計された、デルタボックス・(ヴィクトリー)型と名付けられた高剛性フレームを採用。 メインフレームの左右幅をナロー化し、ヘッドパイプとピボット部をより直線的に結ぶレイアウトを採るこのフレームは、サーキット及びストックレース用途も視野に入れて新開発された。 ピボット廻りとメインフレーム内側には強度に優れるアルミ鋳造構造を採用し、メインフレーム外側に延性のよいパネル材を用いて、これを相互に溶接してボックス形状とすることで、信頼性の高い中空構造を実現している。 またアルミ材質と板厚の設計はコンピュータによる解析とシミュレーションを駆使して最適化を行い、従来比縦剛性で約2.5倍、横/ねじれ剛性でそれぞれ1.3倍という高い剛性を実現している。 エンジン搭載位置や重量配分など初期旋回性を引き出すディメンション YZF-R1のYZF-R1たる所以はその高次元にバランスされた旋回性能にある。特に初期旋回特性は積極的なライディングと相まって、リッタースーパースポーツのあり方を一変させたほどの優れた特性を発揮する。 新YZF-R1はこれまでに得た技術の蓄積を踏まえ、エンジン搭載位置、前後重心配分、シリンダー搭載角度(35°→40°)など相対的な位置関係とバランスを最適化。 より低く前輪寄りに設定されたエンジン重心位置や、30mmに設定されたフォークオフセット値(+5mm)の効果も加わり、旋回初期のクィックな応答特性をより楽しめる操安性を確立している。 熟成されたフロントサスペンションと新逆トラス形状リヤアーム フロントサスペンションには43mmの倒立式フォークを採用。良好なクッション特性とクイックなハンドリング特性を両立させている。リヤには逆トラス形状のアルミ製リヤアームをリンク式サスペンションと組み合わせる。これはシートカウル裏に取り回されたマフラー配置とのバランスを図る工夫であり、優れた剛性バランスとクッション性能を確保している。 また各部構成部品のフィニッシュにも気を遣い、アルミ材を採用しクオリティ感を演出したリヤサスペンションのイニシャルプリロードアジャスターや、溶接性に優れたCFダイキャストと板金アルミ材を採用によるボックス構造で優れた剛性特性を得ながら、アルミの質感を強調したリヤフレームなどを採用している。 強力かつコントローラブル。ラジアルマウント式ブレーキキャリパー フロントはΦ320mmのダブルディスクに制動時の反力による変形の少ないラジアルマウント型キャリパーを採用。またマスターシリンダーをレバー作動量を十分確保でき優れたコントロール性を引き出せるラジアルポンプ式としこれらの相乗効果によって、特に高入力時の安定した制動力とコントロール性とリリース時の優れた応答性をメリハリをつけたコントロール性を確保している。 またリヤブレーキはΦ220mmサイズを採用し、優れた効力とコントロール性を実現した。 スリムなフュエルタンクはクリーナー&タンク部別体式 フュエルタンクは前方にクリーナー部をその後方にタンク部は配置し、従来のクリーナーボックスをフュエルタンクが覆うレイアウトに比べ左右幅を約50mm短縮したスリム構造を採用し、スリムなフレームとの相乗効果で、優れたニーグリップ性を実現。 またシートは前端タンク側をスリムなタンクに合わせて絞り込み足着き性に配慮しつつ、中央から後端部ストッパーにかけてワイドな座面とすることで、乗車中の体重移動性とマシンホールド性を確保している。 さらにはタンク、シート位置との相互関係とエンジンに与えられた新たなキャラクターに合わせ、ステアリングハンドルの開きと垂れ角、ステップの位置も最適化が図られている。 |||| 何処までも理想を追い熟成を重ね、新たな伝説を生む その他細部に込められた改良の数々 新設計軽量5本スポークホイールはハブ〜リム間の剛性特性の最適化が図られ、外装では新YZF-R1のスタイリングを形作るカウリング、2眼4灯のヘッドライト、LEDテールランプの軽量化へのあくなき追求が進められている。 またコックピットはタコメーターを中央配置し、左側に液晶のデジタル表示速度計と時計、そして右側に液晶トリップカウンターと水温計を配置。トリップカウンターにはストップウォッチ機能が内蔵され、タコメーター左側方に配置されたセレクト/リセットボタンにより容易かつ確実な操作を可能にしている。 |||| '04 YZF-R1諸元表 -------------------------------------------------------------------------------- 車名及び型式 YZF-R1 車両重量(乾燥)(kg) 172kg 乗車定員 2人 装備重量(kg) 193kg 全長(m) 2.065m 全幅(m) 0.720m 全高(m) 1.105m シート高(m) 0.835m 総排気量又は定格出力 998cm3 軸間距離(m) 1.395m タイヤサイズ 前輪 120/70ZR 17(58W) 後輪 190/50ZR 17(73W) 最小回転半径 3.4m 位置及びシリンダ数 並列4気筒 冷却方式 水冷 サイクル及び弁配置 4サイクル・DOHC・5バルブ 内径×行程 77.0×53.6mm 圧縮比 12.4:1 最高出力(EC表示) 126.4kw(172.0ps)/(CAN) 125.0kw(170.0ps)/(AUS) 最大トルク(EC表示) 107N・m(10.9kgf・m)/10,500r/min(CAN) 106.6N・m(10.87kgf・m)/10,500r/min(AUS) 原動機付属装置 気化器形式数 電子制御フュエルインジェクション 気化器1個のベンチュリ数 - エアクリーナー形式 ろ紙タイプ 燃料ポンプ形式 電磁ポンプ 燃料タンク容量 18リットル 潤滑方式 強制圧送ウェットサンプ オイルポンプ形式 トロコイドポンプ エンジンオイルタンク容量 3.83リットル 冷却水容量 2.76リットル 蓄電池 YTZ10S(10AH) 動力伝達装置 クラッチ形式 湿式多板 コイルスプリング 変速比 形状 常時噛合前進 6段 操作方式 左足動リターン式 変速比 第1速 38/15(2.533) 第2速 33/16(2.063) 第3速 37/21(1.762) 第4速 35/23(1.522) 第5速 30/22(1.364) 第6速 33/26(1.269) 減速器 歯車形式 チェーンドライブ 減速比 45/17(2.647) 制動装置 前 油圧ダブルディスク 後 油圧シングルディスク 寸法 前 287.4mm×2有効径 後 186mm有効径 懸架装置 前 テレスコピック 後 リンク式モノクロス フレーム形式 ダイヤモンドタイプ キャストホイール 前 MT3.50×17 後 MT6.00×17 AUS:オーストラリア仕様 CAN:カナダ仕様 |||| プレスト参考小売価格:1,250,000円(税込み1,312,500円) プレスト