Harry Potter and the Prisoner of Azkaban ホグワーツ魔法学校の新学期。街では危険な脱獄囚シリウス・ブラックの話題で持ちきりだった。噂によると、ブラックはハリーの両親をヴォルデモード卿に引き渡し、死に追いやった張本人。
そして、今度はハリーの行方を追っている。ダンブルドア校長は、アズカバン牢獄の看守、ディメンダーを見張りに立てるが、彼らの闇の力はハリーにも影響を及ぼしていた。新任教師ルーピンから、魔力に対する防衛術を学んだハリーだが、ブラックの影はすぐそこまで近づいていた。
クリス・コロンバス監督がメガホンを取った前2作から、メキシコの若手アルフォンソ・キュアロンへとバトン・タッチされた期待の第3弾。ハリーの成長とともに、徐々に宿敵・ヴォルデモード卿へと近づき、物語はますますドラマティックになっていく。魔法を習い始めたばかりの第1作よりも格段にファンタジックで、ホグワーツの秘密に迫る第2作より格段にミステリアスなのがこの第3作。
ハリーを始めとするレギュラー陣の成長も見所だが、新たに迎えたキャラクターたちの魅力は抜群。ゲイリー・オールドマン演じる脱獄囚ブラックも、ビン底メガネのトレローニー先生を演じるエマ・トンプソンも、秘密を背負った新任教師ルーピン役のデイビッド・シューリスも、とにかく際立って個性的。黒の魔力を持つディメンダーたちには、心の底の恐怖心を煽られる。2時間22分という長編だが、心配無用。時間は、あっという間に過ぎてしまう。