発売日にはDポケユーザーが販売当日に入手するために列を作り、発売後一ヶ月たった現在でも週末入荷すると土曜日の午前中には完売・次回入荷未定となる久々に激レア感のあるIT機器となっている。
AH-K3001Vを買ったユーザーは、普通、32Kパケットの「つなぎ放題コース」を選択していると思う。月額基本使用料は6090円だが、年間契約や長期割引などを組み合わせれば3年超で4350円、さらにA&B割を使えば3000円台も可能。データ通信定額制とは思えないほど、安く利用できる。
OPERAブラウザー搭載によるフルインターネットの衝撃
iモードの成功の功罪として語られる、“携帯インターネット”といえば、携帯に特化させた専用のページを見ることになってしまった。当時の液晶の表示能力のない小さな画面、遅い通信速度、貧弱な入力環境という制限を考えれば、当時はこれが最適な解だったのかもしれないが、ドコモですら最強のケイタイとして900iを発売しても、画面の制限は当時のまま、QVGA液晶になっても公式サイトなどほとんど対応していない。
しかし、現在のように通信速度が劇的に向上し、それに伴う料金の定額化など、今のケイタイならば限定条件ににとらわれず、PCと同じWebサイトを見られるサービスへのニーズがある。ここでDDIポケットが考えた最重要項目が「フルインターネットができるブラウザで、その答えがOperaだった」
このOpera自体を動かすのに3Mバイトくらいのメモリが必要で、ケイタイに搭載するアプリとしてはこれでも最大のアプリケーションとなっている。
32Kbpsってどお?
現在最速のケイタイ電話は、KDDI/auのCDMA1xWINとなり、2.4MBbps相当の速度がでる、もっともユーザーの多いドコモでは、900iシリーズで384Kbps、CDMA1X144Kbpsとなっている。この速度に比べると確かに、32kは物足りないが、よ〜く考えてみると、NTTドコモのもっとも売れているケイタイでは、25xシリーズや50xシリーズなど、9600bps〜28.8Kbps 程度しかない。しかも定額制で使えることを考えると、32kの速度は全く問題問題にならないのではないか。
定額制で使える安心感
既に、KDDI/auのEZフラットやNTTドコモのパケホーダイで定額でケイタイインターネットが利用できるが、このメリットは所詮はケイタイ向けサイトに限定されたものでしかなく、Dポケのフルインターネットと比較するのは可愛そうになる。公式サイト以外にも勝手サイトと言われるものが多く存在しているが、それも品質や内容からしても、PC向けのインターネットとは比較にならない。
もしニュースサイトなど見たいと思っても、フルインターネットではPC向けに無料で提供しているところも、ケイタイ向けには公式サイトと呼ばれる所は有料ばかり、ケイタイは限定された世界で有料ビジネスとして成り立ってきたが、これからは本当の意味でサービスとビジネスを考える必要があるかもしれない。
AH-K3001Vが、従来のブラウザフォンの枠を超えた使い方を可能にするのは間違いない。少なくとも外出時にPDAやノートPCを携帯する機会を減らせることは確かだ。
音声通信も完璧装備
音声通話のクリアさはPHSならではの高品質で対PHSや固定電話での自然な音質も大きな魅力だ。
AH-K3001Vの最大の魅力が、Opera搭載による高度なブラウジング機能であることは間違いない。ただEメール端末としての機能も、POP3/SMTP対応はもちろん、強化された振り分け機能や日本語入力機能などは、携帯電話の水準に達している。
料金プランは、ネット25がベストではないかと考える。普通は「つなぎ放題コース」だと思うが、ネット25ならば最大64Kの速度が出るフレックスチェンジでWebが閲覧できる。
「ネット25」なら月額基本料金が5670円で、フレックスチェンジ方式の通信を月間25時間まで一定額で利用できる。フレックスチェンジは64K通信と32Kパケット通信を自動的に切り替える通信方式。ユーザーからしてみれば、重いページを開く場合は自動的に64Kで通信してくれるので重宝する。
パケット課金になれたケイタイユーザーには、時間課金は?と思うかもしれないがITのツールとしては必要十分な機能と速度で使い次第でメリットも大きいと思う。
<<UPDATE2004/09/27 >>
京セラ、Opera端末「K3001V」のアップデータ公開
京セラは、Operaを搭載したPHS「AH-K3001V」のアップデータを公開した。フレックスチェンジによる接続時のスループット向上、メモリ管理の最適化が図られている。
京セラは、Operaを搭載したPHS「AH-K3001V」のアップデータを公開した。同社サイトからダウンロードを行える。
ソフトウェアのアップデートにより、1)フレックスチェンジ方式による接続時のスループット向上 2)発信者番号通知「OFF」でのCLUB AirH"への接続 3)メモリ管理の最適化 の3点に対応する。
ユーザーは、PCにアップデータをダウンロードし、USBケーブルで端末とPCをつないでアップデートを行う。アップデートを行う環境がないユーザーは、「ポケットコミュニケーションプラザ」、データサポート対応の「サービスカウンター」、京セラテクニカルサービスセンターに端末を持ち込むことでアップデートが可能。
また、ソフトウェアのダウンロードが困難なユーザー向けにはCD-ROMの発送も行う。CD-ROMを希望するユーザーは、AH-K3001Vで、京セラオリジナルサイト(http://ah-k.kyocera.co.jp)にアクセスして申し込みを行う。申し込みの受付は2004年10月31日受付分まで。
<<UPDATE:20041103>>
Opera搭載AirH"PHONE端末に新色「ネイビーブルー」追加
DDIポケットは、京セラ製AirH"PHONE端末「AH-K3001V」に、新しいカラーバリエーション「ネイビーブルー」を追加した。発売は11月5日で、価格は現行バリエーション(ホワイト、シルバー)とほぼ同じ、8000〜1万円前後を予定している。