「コジマKE007」英国のカーフェスティバルに招待されたのをきっかけに、28年前の雄姿を復活させた。当時の30歳だったプロドライバーの長谷見昌弘さん(58)がハンドルを握りファンや関係者らの夢を乗せて走る。
この国産車「コジマKE007」F1マシンは、76年10月、富士スピードウェイで開かれたF1日本グランプリに挑戦して、当時30歳だったプロドライバーの長谷見昌弘さん(58)がハンドルを握って、予選では10位になったが、その後の走行中のトラブルで車体が大破して、2日後の決勝出場が危ぶまれた。当時のエンジニアらが徹夜で修理にあたり、決勝でも11位と健闘した伝説がある。 この「コジマKE007」は、京都のレーシングチーム「コジマ・エンジニアリング」の若手エンジニアらがフォード社製のエンジンを使って独力で開発した。 その後、マシンは展示用に転売を重ねられてたりして行方がはっきりとは分からなくなっていたが、広島市の自動車修理販売業、栃林昭二さん(53)が97年、松山市のタイヤ店の店先で発見して、この復活プロジェクトをはじめた。マシンはすっかりさび付いていたが、ボディーに当時のチームの頭文字「KE」のステッカーがあり、ホンモノであることが証明された。
コジマF1・KE007の復活はただの飾り物ではなく、21世紀の文化として、モータースポーツを提える欧米の姿勢を日本に確立するためにも、競技として体制の整った欧米に学ぶことの意味でも、この計画の実現に向けてより多くの企業や人々に色々な形で参加してもらいたいと思っています。