予選・決勝を通じ王者フェラーリと真っ向勝負を演じた佐藤琢磨(B・A・R Honda)。初の表彰台目前にして無情のエンジンブローと、またも不運に見舞われたヨーロッパGPから2週間。F1は一時、ヨーロッパを離れ、北アメリカ大陸へとその舞台を移す。2004年のF1GP第8戦カナダGPは現地時間(以下現地時間)11日、カナダにあるセント・ローレンス川の中洲、ノートルダム島のサーキット・ジル・ビルヌーブ(1周4.361km)で開幕する。
2004年シーズンのF1も中盤戦に差し掛かり、現在は第6戦モナコGP(5月23日決勝)から第11戦イギリスGP(7月11日決勝)までの8週間に6戦が行なわれる過密スケジュールを消化中。ヨーロッパGPを終えた各チームは約2週間という貴重なインターバルを利用し、イギリス・シルバーストン、イタリア・モンツァの2ヶ所に分かれ集中テストを実施。カナダ、アメリカの北米連戦、7月のイギリスGPに向けた集中テストを行なっている。
この2ヶ所のテストで速さを見せたのが好調B・A・R Honda。5月中旬に行なわれたポール・リカールテストで試され、好感触を得たカナダGP用の新スペックエンジンは今回のモンツァテストでも3日間に渡ってアンソニー・デビッドソンがテスト。2日目には非公式ながらトップタイムを記録。シルバーストンでのテストに参加した佐藤琢磨もこの日トップタイムを記録。2ヶ所で堂々のトップタイムを記録した。
カナダGPの舞台となるサーキット・ジル・ビルヌーブは高速のストレートをシケインとヘアピンで結んだレイアウトが特徴。エンジンパワーが必要とされる高速サーキットだけにB・A・R Honda勢の戦いに注目が集まる。また、ポイントリーダーで北米連戦を迎える王者ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)もここカナダは過去10年間で6勝と得意としているだけに、今回のグランプリもフェラーリとB・A・R Hondaの対決となりそうだ。抜きどころの少ないコースは予選でのポジションが重要。ジェンソン・バトン、佐藤琢磨のフロントロー独占が実現すれば、B・A・R Honda、悲願の初優勝も手の届くところまで来る。
注目のカナダGPは11日(金)午前11時(日本時間12日午前0時)のフリー走行で開幕。決勝グリッドを決める公式予選は12日(土)正午(日本時間13日午前1時)、そして注目の決勝レースは13日(日)午後12時30分(日本時間14日午前0時30分)から70周=305.270kmで争われる。