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June 7, 2004 space
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ジョホールバルの歓喜:1997年サッカー日本代表の戦い。

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ジョホールバルの歓喜とは、1998年フランスW杯最終予選で、日本−イランの試合がマレーシアのジョホールバルで行われた試合のことを思い出として語り継いでいるのです。
 
 
 前半先制ゴールを決めながらも、後半に入るとイランの猛攻にあい2失点。しかし、後半14分同点に追いつくと岡田監督は、野人岡野を投入。そしてついに延長28分、決勝ゴールを決める。 ここに、長年挑戦し続けたワールドカップ本大会出場という夢が現実となった。このときの代表メンバーは、カズ、ロペス、中田英寿 、井原 正巳、 川口 能活、 秋田 豊など。
 

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 今回の予選では、ドーハとは違うのは喜びの記憶が残ったという点と、最初からちょっとはマシな目で見たので状況を理解して、選手と共に喜びを共有することができた。
 
W杯への扉を開けるときがきた。97年。翌年のフランスW杯に向けたアジア最終予選。日本は韓国、UAE、ウズベキスタン、カザフスタンと同組。1位になれば無条件で本大会出場。日本は初戦のウズベクには勝ったが、アウエーでUAEと引き分け、韓国にホームで敗戦。アウエーでウズベクと引き分けると、加茂周監督が更迭され、岡田武史コーチが昇格。これが流れを変えた。カザフ、UAEと引き分け、韓国にアウエーで、カザフにホームで勝ち、イランとのプレーオフ(第3代表決定戦)に進出した。
 
決戦地はマレーシア・ジョホールバル。90分間でも決着がつかず、延長戦へ。そして、中田英寿のシュートに反応した岡野雅之が、身体を投げ出してスライディングシュート。日本のW杯初出場は「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれる、ゴールデン・ゴールによってもたらされた。
 
岡田監督は日本の本来の姿、4-4-2で攻撃的な布陣をひき、日本の2トップにはカズとゴンをすえた。イランはダエイ、アジジ、マハダビキアの3トップのようだ。案の定、アジジの前日の怪我は狂言だった。
 
立ち上がりから日本は攻めた。開始早々の0分、相馬のクロスはオウンゴールを誘うようなあわやの軌道を描いた(結果はオフサイド)対するイランも早いボール回しからサイドを崩しにかかる。
 
日本は今日は最初からコンビが冴える。6分には山口の縦パスを北沢が頭で落とし中田がイランのゴールをおびやかした。
  
しかし最初の決定機はイラン。9分、ダエイがヘッドでおとしたボールにアジジが突進。川口も抜かれたが名良橋の懸命のチャージで事なきを得た。
 
ここからは一進一退のにらみ合いが続く。15分にはダエイがミドル、18分には中田がミドルで狙うが得点にまではいたらない。
 
イランはフィジカル・コンタクトが強いといわれるが、実際はダーティなファールを計算づくでしてくるチームだ。この試合でも17分、24分、34分と悪質なタックルを重ね、前半だけでも3枚のイエローを出された。
 
 (次のオーストラリア戦大丈夫か?)27分には井原もおつきあいしてしまったが.... 28分、アジジがドリブルでDFをかわし右足を強振。低い弾道のシュートは川口が右へ好セーブで防いだ。32分、中山がロングパスをキープし北澤へパス。北澤のシュートは大きく枠を外れた。北澤はこの試合、フリーで終始ボールに絡み、攻撃の起点となっていた。やはりバケリがいない事が日本に幸いしている様だ。
 
 終盤、両チームにビッグチャンスが来たが、ものにしたのは日本だった。37分のマハダビキア(こいつがなかなかテクニシャン)の強いシュートはジャンプした川口の届かないところへ飛んだが、ここはなんとかポストが日本のゴールを守ってくれた。そして39分、中田のスルーパスがイランDFを切り裂いた。走り込んだ中山はGKと1対1、正確に蹴り込んだボールはGKの脇をかすめゴールに吸い込まれた。2試合連続のゴンゴールだ!!
 
 前半終了。1-0。リズムは悪くない。秋田もよくダエイを押さえている。このままで残りの45分も行きたいところだ。
 

 両チームともメンバーチェンジはなく、後半が始まった。
 
 
 後半、一つのミスがすべてを振り出しに戻す。井原が処理を過ったボールをマハダビキアがもちこみ、ダエイがシュート。川口が反応したがこぼれたボールにいち早くアジジが詰めた。1-1。同点。
 
追いつかれた日本は恐れず攻める。3分に右サイド名良橋からのクロス、4分今度は左からの相馬からのパスを北澤がシュート、5分、北沢が胸で落としたボールを中田がボレーシュート。イランも負けじとマンスーリアンが左からシュートを放つ。
 
そして13分日本の右サイド深く攻め込んだイランはマハダビキアがセンタリング。ボールは警戒していたダエイのヘッドを経由して日本のゴールにつき刺さった。秋田に訪れた一瞬の空白であった。イラン逆転。日本は頭(こうべ)を垂れてはいけない。(名文句NHK山本アナの言葉より)
 
岡田監督はすぐに動いた。カズ、中山の2トップを一度に替える賭けだ。特にカズを替えるのは今まで誰もできなかったタブー。実際、交代を告げられたカズはベンチに向かって「俺が交代?」と不満な表情をありありと見せた。これで流れが日本に大きく傾くことになる。そうこの後、日本のシュートの雨がイランのゴールに降る。
 
19分城のヒールパスから中田、20分左名波のセンタリングに中央で呂比須がヘッド、22分FKのこぼれ玉を井原がジャストミートのボレー、23分相馬のクロスを城がワントラップしてシュート、27分呂比須が頭で流したボールに城が走り込み至近距離からシュートいづれも決定的なチャンスの連続だった。
 
そして30分、ついにネットは揺さぶられた。中田の絶妙のクロスボールに城がドンピシャのタイミングで頭でコンタクト。キーパは手で触わるのが精一杯だった。2-2の同点。イランのラインは下がりっぱなしで既に足が止まっている。「逆転できる!」日本の選手に勇気がふつふつと湧き上がった。勇気あるものとないものの闘い。ゲームは日本のワンサイドゲームの様相を呈してきた。
 
 
 32分北澤

 35分名波FKから秋田のヘッドとイランDF陣の懸命の守りが続く。

 38分イラン久々のシュートをアジジが放つが決定力に欠けるのは悲しいかなアジア共通の悩みだ。
 
 40分間接FKをクイックで名波がねらう。GKがかろうじて外にセーブ。
 
 41分左サイド北澤が入れたボール、城のヘッドは惜しくもバーをたたく。
 
 42分には左サイド深く切り裂いた相馬のクロス。城が体を投げ出したが、惜しくも右...そのまま90分が終了した。日本はいったい何本のシュートを放ったのだろう。こんなにもフランスは遠いのか?まだ勝利の女神は日本に微笑んでくれないのか?
 
Vゴールの延長戦、岡田監督は今日いい動きをしてきた北澤に替えて、最終予選まだ一試合も出場していない岡野を投入した。(試合後のインタビューによると岡田監督は最後は岡野で決めると予言していたそうですが..)
 
執ように時間稼ぎをしてPK戦に持ち込もうとする「逃げるイラン」と徹底的に自分達のサッカーで「追い詰める日本」。日本の残された仕事はただボールをゴールに入れることだけだった。それがあと30分の間に成し遂げられるのか?それとも数多くのチャンスを生かすことができないままオーストラリアに行くのか?
 
 
 岡野は疲れたイランを最初からかき回し、主導権をイランにいっさい渡さない。
 
1分には岡野がGKと1対1(シュートはGK直撃)、9分中田のクロスに抜け出た城がヘッド(GKキャッチ)。
 
13分には日本に超決定機が訪れる。カウンターで中田から岡野に出たボールはGKとまたもや1対1に。岡野はシュートを打たずに消極的にも中田にパスをしてしまい、DFにクリアされてしまう。(ここで私は切れかけたが...)イランの反撃は11分のFKのみ、ハクプールのFKはDFに当たりあわやのコースに飛んだが枠の外に。
 
14分にはゴール手前まで切れ込んだ中田がマイナスのパス、こぼれ玉に岡野が走り込んだがふかしてしまう。数多く訪れるチャンスをいまだにものにできない日本。少ないチャンスを虎視眈眈と狙うイラン。どちらが最後笑うのか...
 
延長後半、イランは疲れで十分な守備ができずイエローカードを連発。5分のCK、ニアに飛び込んだ城とイランGKが交錯、イランGKのアベドザデがポストに激突。満身創痍の状態になってきた。
 
8分、名波のスルーパスに走り込んだ中田がセンタリング、城に届いたがGKも出てきて混戦、シュートが打てない、こぼれ玉を呂比須がシュート、そのこぼれ玉を名良橋がシュート、まだ決まらない。時間がなくなってきた。見る方も焦ってくる。イランの最後のチャンスはやはりダエイだった。
 
12分、左サイドのミナバンドがオーバーラップ。クロスボールに合わせたダエイのシュートはバーのわずか上を通過した。これには肝が冷えた。延長でなければ、ダエイに疲れがなければ決められていたかもしれない。
 
そして、何十分、いや何十年も待ち望んでいた歓喜の瞬間が訪れた。中盤でボールを拾った中田が前方のスペースを確認してドリブルで突進、放った強烈なシュートのこぼれ玉を誰よりも早く詰めていたのは岡野だった!
 
 
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