気温２１℃、路面温度３６℃、コースはドライコンディションとなっている。現地時間午後２時、ミハエル・シューマッハを先頭にフォーメーションラップがスタートしていく。佐藤琢磨はミハエルの隣、フロントローにマシンを止める。
スタート！ヤルノ・トゥルーリがスタートダッシュを見せるが、１コーナーのブレーキングで佐藤琢磨が２位を奪い返す。１コーナーではラルフ・シューマッハとクリスチアーノ・ダ・マッタがストップしている。どうやら、ファン・パブロ・モントーヤがチームメイトに接触したようだ。モントーヤのフロントウィングもダメージを受けている。その直後にセクター１で佐藤とトゥルーリが激しいバトルを演じ、ともに順位を落としてしまう。
オープニングラップの順位は１位ミハエル・シューマッハ、２位キミ・ライコネン、３位フェルナンド・アロンソ、４位佐藤琢磨、５位ルーベンス・バリチェロ、６位ジェンソン・バトン、７位ヤルノ・トゥルーリ、８位オリビエ・パニスとなっている。モントーヤはピットでフロントウィング交換。
ミハエル・シューマッハがファステストラップを連発しながら１周あたり２秒以上の差をライコネンにつけていく。そのシューマッハは８周目に早くも１回目のピットストップ。８．３秒でコースへ復帰していく。シューマッハはトゥルーリの直後につける。翌週にはライコネンとトゥルーリがピットへ。それぞれ７．６秒、７．４秒でピットアウトしていく。そしてまたその次のラップにはフェルナンド・アロンソもピットストップを行ない、７．７秒でコースへ。
１０周目、キミ・ライコネンのマクラーレンが白煙を上げてコース上でストップ！今シーズン５回目のリタイアとなってしまった。１１周目にはＢＡＲ・ホンダのジェンソン・バトンが６．０秒のピットストップを行なう。翌週には佐藤琢磨がピットストップを行ない、６．４秒でコースへ復帰する。佐藤はクルサードの前、３番手のポジションを得ている。
１４周目、セクター１でフェルナンド・アロンソがミスをしてしまいトゥルーリの先行を許す。１５周目、２ストップ作戦と思われるフェラーリのルーベンス・バリチェロが１回目のピットストップへ。９．４秒の静止時間により３番手でコースへ復帰。これで２ストップ作戦であることが確定的となる。ジェンソン・バトンが１コーナーでアウト側からデビッド・クルサードをオーバーテイクしていく。そのクルサードはトップ２１周目に１回目のピットストップを行なう。静止時間は８．４秒。
ピットストップを終えてコースに出てきたオリビエ・パニスとレースリーダーのミハエル・シューマッハが１コーナーで交錯しそうになり、パニスがミハエルをアウト側へ追い出していく。２４周目、ここまでピットストップを行なっていなかったジャンカルロ・フィジケラが最初のストップを行なう。
２５周目、ジェンソン・バトンが２回目のピットストップへ。翌週には佐藤もピットへ。８．２秒でピットアウトしていく。佐藤はバリチェロから９．１秒後方に位置している。トップ２７周目、もう１台のマクラーレン、デビッド・クルサードも白煙を上げてコース上にストップしていまう。ミハエル・シューマッハも２回目のストップを行ない、８．２秒でコースへ復帰しトップを死守する。トゥルーリもピットストップを行なっている。
後方ではクリスチャン・クリエン、ファン・パブロ・モントーヤ、フェリペ・マッサが激しいバトルを演じ、モントーヤとマッサが一気にクリエンをかわしていく。３０周目にアロンソがピットへ。６．７秒のピットワークでコースへ復帰していく。
３８周目、２ストップ作戦のバリチェロが最後のピットストップへ。１０．０秒の静止時間でコースへ戻っていく。バリチェロはバトンの直前にコース復帰を果たす。今度はピットアウトしたジャガーのマーク・ウェーバーが１コーナーでミハエル・シューマッハと交錯しそうになり、ミハエルをアウト側へと追い出すような形になる。
トップ残り１８周、まずはルノーのフェルナンド・アロンソが最後のピットストップを行なう。翌周にはトップ独走中にミハエル・シューマッハもピットへ。そして佐藤琢磨も同時にピットへ向かう。バリチェロとの差は前のラップで２１．２秒。ミハエル・シューマッハは７．９秒でトップへ復帰、佐藤琢磨は７．４秒でコースへ戻るもわずかにバリチェロに届かず、フェラーリが１−２体制を築き上げる。佐藤はギリギリバトンの前へ。ルノーはトゥルーリもぴっとへ入り、７．６秒でコース復帰。バトンは翌週にピットストップへ。
３位の佐藤琢磨は４６周目の１コーナー、バリチェロのイン側へ飛び込むがバリチェロもインを締めたために接触！佐藤はフロントウィングを破損しピットストップを強いられる。佐藤はアロンソの前、５位まで順位を落としてしまう。現在の順位は１位ミハエル・シューマッハ、２位バリチェロ、３位バトン、４位トゥルーリ、５位佐藤、６位アロンソ、７位フィジケラ、８位ウェーバーとなっている。
ジョーダンのジョルジョ・パンターノにピットレーンスピード違反によるドライブスルーペナルティが課せられる。
トップ４９周目、ホームストレート上で佐藤琢磨のホンダエンジンが激しくブロー！モナコに続いてまたしてもリタイアに終わった。
ファイナルラップ。フェラーリの２台が万全の体制でチェッカーフラッグを目指していく。しかし、バトンもバリチェロとの差を３．６秒まで詰めていく。
チェッカー！ミハエル・シューマッハが母国ドイツでのヨーロッパＧＰで今シーズン６回目の勝利を獲得、フェラーリが１−２フィニッシュを達成した。３位にはジェンソン・バトン、４位と５位にはルノーのヤルノ・トゥルーリとフェルナンド・アロンソが続きシーズン６回目のダブル入賞を果たした。６位はザウバーのジャンカルロ・フィジケラ、７位にはジャガーのマーク・ウェーバーが今年２度目のポイントを獲得した。スタートでチームメイトと接触したＢＭＷ・ウィリアムズのファン・パブロ・モントーヤが最後の１ポイントを拾っている。完走は１５台。
Ｆ１第８戦カナダＧＰは６月１３日、モントリオールのサーキット・ジル・ヴィルヌーヴで決勝レースが行なわれる。
