今日、イー・アクセスから2件のリリースが出ていましたが、ひとつは創業後初めての黒字を達成、最終的な利益である純益は23億5600万円だった。 その直後に、全額現金により、AOLジャパンを21億で買収と発表しました。 この経緯と目的は・・・
5月17日付けのイー・アクセスからのリリースを見ると、2003年度(2003年4月〜2004年3月期)決算が創業後初めての黒字を達成したと発表しています。 ・売上高は前期比88.1%増の381億4300万円 ・営業利益は41億4000万円 ・最終的な利益である純益は23億5600万円 ADSL回線のホールセールスという分野の草分けとして、日本のブロードバンドを裏方として支えてきた企業がちゃんと利益を出せる会社となったことはとても良いことです。 ADSLが開始された当初は、ホールセールスでは儲からないと大手通信キャリアに言われ、内紛?の結果、現在のイーアクセスの社長が会社を飛び出して起業したのですが、このような方がこうして成功することは、とてもすばらしいことではないでしょうか。(私もeAccessの会員です!) さて、今回の決算発表で初の黒字化となったのですが、黒字化を達成できた要因は、売上増に対して営業費用のコスト増を抑えられたこととしています。 ・金額ベースで178億6700万円の増収だった売上高に対して、営業費用は93億8100万円増。 ・営業費用のうち、通信設備使用料や減価償却費、モデム利用料などにかかる売上原価は81億5700万円増(前期比48.8%増)、販売促進費や人件費にかかる管理費用は12億2400万円(15.4%増)。 さて、今回黒字化した現金をそのまま懐に入れるのではなく、また現業への拡大投資として活用するよりも、自らがビジネスモデルを構築していく道を選んだのが、AOLジャパンの買収となったのでしょう。 イー・アクセスによればAOLジャパンからの事業買収を、「ADSLホールセールの付加事業としてISPネットワーク・アウトソーシング事業の拡大を目指すため」と説明している。 またAOLジャパンは利用者の伸び悩みなどから2003年12月にNTTドコモとの資本提携を解消、提携先を探していた。今回両社の思惑が一致し、事業の譲渡となった。事業譲り受けでイー・アクセスがAOLジャパンに支払う金額は約21億円。全額現金による支払いとなる。 AOLジャパンによれば、現在同社が提供しているサービスは、今後もすべてイー・アクセスが継続して提供することになるという。またサービスにおけるAOLブランドは継続して使用し、米AOLからの技術やコンテンツ、ホスティングなどの提供の面でイー・アクセスと協力するとしている。 AOLジャパンといえば、紆余曲折の末、NTTドコモの資金力に頼って、莫大な費用を掛けプロモーションやサービスを開発してきましたが、USのメジャーブランドも日本では根付くことなく、このまま終焉かと思っていたところで、今回の話となったようです。 この辺りの経緯はわかりませんが、今回のイーアクセスの買収、先のNTTドコモの買収もAOLの売り込みの見事さがとても印象的です。 AOLは自らがサービスの主体として日本国内で資金を使うことなく、提携企業に丸投げして、そこからAOLブランドの暖簾代やサービスの利用料を徴収するビジネスモデルだからです。。 イーアクセスのビジネスは慎重で長期的なプランで進むものと考えていますので、今後に期待しましょう。